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無痛分娩ってよく効く硬膜外カテーテル入れたらおしまいでしょ? と言われた時

無痛分娩の経験がない先生が行った場合は、一回経験してきてください! 複数回経験のある先生が言った場合、おっしゃる通りです!! 効く硬膜外カテーテルを入れないと無痛分娩は始まりません。 無痛分娩のゴールは妊婦に対して適切な鎮痛を提供し、産科医に対して迅速な帝王切開を提供することが目標です(と、産科麻酔ご専門の先生に言われたので引用してます)。 題名のような発言をされた時、悪意の有無に問わずイラッとしたことがあります。 「私の専門性が舐められている?」などなど、考えますが、その考えは間違っていました。 無痛分娩への心理的障壁をなくすことが、産科麻酔に関わる麻酔科医の宿命だと考えています。 無痛分娩の依頼があったとき 「無痛なんてできるかよ。。。」よりも「カテーテル入れてくるだけでしょ?」の先生が増えたらいいですね! ここまで心のハードルが下がるために、成功体験を一杯させてられるように指導できるようになりたいものです。

無痛分娩の思い出 その1

無痛分娩希望100%の経産婦が到着したので分娩室に向かった。 その時点で既に子宮口全開大。 助産師さん「産んじゃおっか!」 妊婦さん「私、産みます!」 このやりとりを見て、当時の私はお産を黙って見守ることしかできなかった。 無痛希望100%だったはずなのに無痛を提供できなかったことを申し訳ないと私は思ったが、彼女は陣痛を無痛なしで乗り切ることができたので、それでよかったのだ。 この出来事からおよそ半年以上経った頃、同じようなことがあった。 無痛希望の妊婦が到着したが既に子宮口全開大。 ネコ(あの時の私とは違う!今ならまだスパイナルで鎮痛できる !) 助産師「産んじゃお!!」 妊婦「私、いけます!!」 ネコ(フェンタニル開ける前で良かった...) その後は妊婦さんを応援してお産を無事に終えることができた。 実はこの 「私、産みます!」 を聴くと、私は感動して涙が出そうになる。 陣痛で声が出るほどの思いをしていながらも、お産に向かう姿が母親として頼もしく、美しく見えるのだ。 「無痛なんていらない」 これもバースプランとして尊重されるべきだ。

無痛分娩を病院で始めるマインド -言われて納得-

無痛分娩を始めるにあたって、必ずしもみんなから歓迎されるとは限らないようだ。 角を立てないで無痛を始める理由、まずは医学的適応のある妊婦に提供できるようにする。 続いて、「妊婦の希望があれば選択肢の一つとして準備がありますよ」くらい、ふわっとした感じ。 こちらからガンガン無痛をすすめることはしない、産科医や助産師にも考えがあるし、自分が正しいとも限らない。 そもそも産むのは妊婦さんなので彼女達の意見が一番大事。 主体性を持ってお産と向き合ってもらいたい。 彼女達のバースプランの一つになれば幸い、出産がいい思い出になるように産科医、助産師、麻酔科医で仲良くやっていきたいと思う。

産科麻酔的 医療従事者向け意見箱 made by ネコと田んぼ with my colleague

麻酔科医、産科医、助産師向け アンケートの作成完了。 数人にみてもらい、気軽に投書できそう とのことで採用。 QRコードにして掲示予定 意識したポイントは匿名性の高さとアクセスの良さ、容易に投稿できるようにしてみた。 知人曰く、「心理的安全性が高い」らしい。 最近、この言葉はやってるのかいな

産科麻酔外来を始めたい by 上長 with ネコと田んぼ

産科麻酔外来を始めたい。 確かにそうだ、私もそう思う。 緊急帝王切開で「初めまして、よろしくお願いします。ところでリスクは?あ、、なるほど 」  なんて夜中に一人で言いたくない。 産科の先生も、麻酔科外来で患者さんが評価されている方が安心ですよね???? でも、全妊婦を外来で評価する時間も麻酔科医もいない。 非無痛のNVD予定の妊婦さんは麻酔科外来に来なくて大丈夫。 分娩方針が帝王切開、無痛分娩の医学的適応の妊婦は 言わなくても産科の先生がかけてくれる。 問題はそれ以外の症例。 案① 22週以降の妊婦を全例、麻酔科医でカルテ診してリスクがあるものを産科医にコンサルトを書いてもらう →漏れはない / 体力勝負、多分長くは続かない 案② リスクが高そうなもの(血小板減少症や凝固異常など、胎盤位置異常、緊急帝王切開になりそうな症例 / なったら困る症例 などなど )治療方針をあらかじめ決定しておきたいもの、合併症のコントロールを術前で最良にする必要があるものを表にして産科医に提供、適宜お願いする。 → 麻酔科医の負担軽 / 多少の漏れは生じる? そもそも案①でも②でも漏れるし、そもそも緊急になる可能性は全例であるので許容。どちらにしろ、基準を設けて周知する必要がある (ひょっとして既に院内のどこかにあるのでは...) 。   優先順位は今すぐではないけど、麻酔科医や産科の先生だけじゃなく妊婦の安全のためにも今後、必要。 -今後の課題- 産科麻酔外来にかける基準作成(以下案) 1.帝王切開予定 2.無痛分娩希望, 無痛分娩の医学的適応 3. 緊急帝王切開になる可能性が高いもの 4. 帝王切開時, 無痛分娩時に麻酔困難が生じるもの  :気道確保困難、脊髄幹麻酔困難 適応に悩むものなど要検討 5. 産科医的に相談したいもの

初めまして ネコと田んぼ

  当ブログは産科麻酔をかじった 関東平野の麻酔科医 ネコと田んぼが、産科麻酔をやんわり院内に浸透させる日々を記録するものである。 このブログを通して同じ悩みを抱える人と出会えることを願っている。 まずは麻酔科医達(仲間)が一体何に困って、何を欲しているのか知りたいのでアンケートを始めよう。