無痛分娩の思い出 その1

無痛分娩希望100%の経産婦が到着したので分娩室に向かった。

その時点で既に子宮口全開大。

助産師さん「産んじゃおっか!」

妊婦さん「私、産みます!」

このやりとりを見て、当時の私はお産を黙って見守ることしかできなかった。

無痛希望100%だったはずなのに無痛を提供できなかったことを申し訳ないと私は思ったが、彼女は陣痛を無痛なしで乗り切ることができたので、それでよかったのだ。


この出来事からおよそ半年以上経った頃、同じようなことがあった。

無痛希望の妊婦が到着したが既に子宮口全開大。

ネコ(あの時の私とは違う!今ならまだスパイナルで鎮痛できる !)

助産師「産んじゃお!!」

妊婦「私、いけます!!」

ネコ(フェンタニル開ける前で良かった...)

その後は妊婦さんを応援してお産を無事に終えることができた。


実はこの 「私、産みます!」 を聴くと、私は感動して涙が出そうになる。

陣痛で声が出るほどの思いをしていながらも、お産に向かう姿が母親として頼もしく、美しく見えるのだ。


「無痛なんていらない」 これもバースプランとして尊重されるべきだ。

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