無痛分娩の思い出 その2

経膣分娩後、胎盤が剥がれなかった。

経静脈的に鎮痛・鎮静し産科医が処置を続けた。

幸いなことに出血はそこまでではなく無事に終了した。


これで私の仕事も終わったものと片付けをしていたら分娩室に旦那様が入ってきた。

すごくコワモテで、軽く会釈して終えようと思っていたら「妻を助けてくれてありがとうございました」と言われた。

麻酔科医からしたらいつも通りの仕事で慣れきっており、あっても産後の鎮静管理で感謝の言葉を患者様から頂くくらいだったが、家族から言われたのは初めてで大変驚いた。


母親でも父親でも子供でも、その家族では誰が欠けても残された人たちは辛いはず。

処置に時間がかかったから旦那様も心配になったのだろう。

仕事のやりがいを感じた瞬間だった。 

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