投稿

論文が書けないけど、少しずつ書いてます

赴任して1か月経ち、当初のメラメラ感は落ち着きました。 帝王切開用の麻酔トレー(麻酔薬や昇圧薬など入っているもの)が9月頭から新しくなりました。 アトニンとミダゾラムのアンプルが同じ青色で、見間違えそうとのご意見をいただき早速、 両者を遠くへ移動させました。 論文を書いているのだが、元々物をかき慣れていないのでかなり大変。 物を書く習慣が欲しくてこのブログを始めたのもあり、なんとかこのブログはかき続けられています。 経過報告よりも、学問的な内容を始めていこうと思います。 産科麻酔専門医制度も遠くない未来に始まりそうなので、それの勉強も兼ねて。

後輩麻酔科医と一緒に無痛分娩ができた!!

先日、手術が中止になった麻酔科研修医(以下レジ)から一緒に無痛分娩をしたいと当日連絡が来た。 当日は2人、妊婦がいたので一緒に管理することに。 レジの先生に新しく経験させられたのは 脊椎エコー2件、座位での硬膜外カテーテル留置1件、DPE1件、1椎間法のCSEA 1件(emCS) だった。 無痛分娩の管理は手元のマニュアルを参考を見ながら一緒に管理し、逸脱することなく終えられた。 すごく嬉しかったのは、私がレジのミスを穏やかに指摘できたことと、レジの手技が安全になったこと。 消毒液をトレイの外で受け取ることができるようになったのは、何よりも嬉しい。 レジが私と一緒に無痛を経験すれば「一人でできるかも」と思うようになるかもしれない。 レジが他の麻酔科医に「こうやってやるんだよー」と広めてくれれば医局全体の底上げになると思っている。 あと数人、このような人を増やしたい。

8月にできたこと 9月の目標 ネコと田んぼ先生のお尻に火がついている

 1ヶ月が終わりました。 周産期の安全を守るために、まずは麻酔科医が働きやすい環境を作って、お産へのハードルをさげることを目標にします。 ■8月の達成項目 医療従事者向けアンケートの設置完了 無痛分娩用の麻酔カートの設置 ORに1椎間CSEAキットの導入 ■9月の予定 無痛分娩の申し送りを始める 産科麻酔アンケートのフィードバックができる仕組みを作る 麻酔カートの中身を決め、自動補充できるようにする 麻酔記録のもれを減らすために項目を入れられるようにする。 手術室に産科危機的出血への対応指針2023の張り出し(依頼) シミュレーション教育や麻酔科医向けの産科麻酔教育を始めたいがそれはまだ先の予定。 まだ人に教えられるほどの知識がないのだ。

申し送り始めました 

 ついに、産科麻酔内での申し送りが始まります!! 申し送りで麻酔科医同士の情報共有が円滑に進めば、チームとして妊婦さんを管理できるようになります。 病院によって潤沢な麻酔科医がいる病院、そうでもない病院では申し送りの形態も変わります。 当院はマンパワー不足なのでコミュニケーションツールを有効に活用して、できる範囲で頑張ります。 ふと思い出した言葉 「真のエリートは有名企業でふんぞりかえる人のことではない。赤字の町工場で汗水流しながら働く奴のことだ!」 by 母校の先生 この言葉の呪いはつまり、「楽はしないで、報われるかどうかわからない苦労をせよ」。 苦行礼賛 をよく表した言葉であるが、卒業して何十年経ってもまだ覚えているとはよほど好きな言葉なのだろう。 せんせー!!今まさに汗水流してますよー!!

嬉しいことがあった! アンケートを褒められた

 産科麻酔のアンケートを設置したことについて、お褒めの言葉を他の麻酔科医から頂いた。 『集まる機会があまりないので、あれがあると気軽に相談できそうでいいね、ありがとう』 嬉しかったけど顔に出せませんでした、突然すぎて。 コメントの回収もちゃんとしないとね!!

言われるまで気づかなかった、無痛分娩への苦手意識の話

ある上司と無痛分娩をどうしたら医局員全員でできるのか、相談して頂いたご意見。 ①麻酔導入依頼があったとして、どこに行ったらいいかが分からない。 ②何を助産師が準備をしてくれていて、何を麻酔科医が準備しなければならないのか分からない ③助産師は患者の体位とりも含めて、どのくらいの介助ができるのか知りたい ④PHSで「妊婦が痛がってます」と言われたところでどうしたらいいか分からない。 ①②は手術室からLDRまでの動画を撮影して医局会で共有してみようか。 できれば患者役も入れて、背中の消毒までを一連の動画にしてみるとか、やっぱりVRかなぁ← 2.3回経験すれば解決するのではと想像。。。 ③はばらつきがありそう。普段意識しないでやっていた(適宜その場で指導してた)ので現状が全く分からない。まずは現状確認。 ④これは麻酔科控室にマニュアルがあって掲示してある。マニュアルの存在が浸透していないか、または知識だけでなくて実際に経験しないとできないということだろう。シミュレーションができたら、実際に分娩棟に向かう事ができたらいいのだが。 ①-④の問題に関連する話。 麻酔科医の日勤が相当忙しい。 分娩棟から無痛分娩の依頼があったとき、麻酔科のリーダーは仕事に慣れている人を分娩棟に派遣する傾向がある。 その日の仕事を最も効率的にこなすことができるためである。 しかしこのやり方は、経験者に症例が集中し、経験がない人に症例が集まらない問題がある。 長期的な観点で見れば、無痛分娩の管理が出来る麻酔科医を増やす事が、医局の利益に繋がるが、そうはいかないようである。 一歩一歩、取り組んでいきたい。

無痛分娩の思い出 その2

経膣分娩後、胎盤が剥がれなかった。 経静脈的に鎮痛・鎮静し産科医が処置を続けた。 幸いなことに出血はそこまでではなく無事に終了した。 これで私の仕事も終わったものと片付けをしていたら分娩室に旦那様が入ってきた。 すごくコワモテで、軽く会釈して終えようと思っていたら「妻を助けてくれてありがとうございました」と言われた。 麻酔科医からしたらいつも通りの仕事で慣れきっており、あっても産後の鎮静管理で感謝の言葉を患者様から頂くくらいだったが、家族から言われたのは初めてで大変驚いた。 母親でも父親でも子供でも、その家族では誰が欠けても残された人たちは辛いはず。 処置に時間がかかったから旦那様も心配になったのだろう。 仕事のやりがいを感じた瞬間だった。